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健康対策はもう始まっている

BY: 永田 あき

2024/01/21

自分の体の健康を考えた時、それはどんな状態を指すと考えますか?

健康な自分と言った時、それは体の状態だけではなく心の状態も指します。

さらに、今この瞬間だけでは評価できないものだと思います。私たちは何年も生きるその線上の一点に今があるに過ぎないからです。

健康のための対策は、実際に病気になったり不調を感じたりする前に講じるものでもあるということを意識し始めた時、それは先送りになんてできません。

自分の状態に向き合って意識し始めた瞬間に健康対策開始時期がすでに始まっていることに気がつくでしょう。

 

 

注目するのは『健康寿命』!

健康寿命という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

私たちが生きている期間をしめす「寿命」に対して、健康上の問題で日常生活が制限されることがなく介助なども必要としないで生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。 年々平均寿命は伸びていますが、ただ生きている期間が伸びるよりも、健康で楽しめる期間である健康寿命が伸びることは嬉しいですね。

ところで、自分自身の20年後40年後を想像してみたことはありますか。

平均寿命の情報や身近な親類などの様子を見ながらなんとなくのイメージはあるかもしれません。 ここで一度今ではなく、老後に健康上の問題で日常生活が制限された状態とはどういった状態なのかを考えてみましょう。

 

もし自分が寝たきりの状態だったら

寝たきりになってしまうのは嫌だと言うのを耳にすることがありますが、実際に寝たきりであると言うことはまず食事を口から摂ることができなくなってきます。ですから体を生きながらえさせるためには点滴により栄養補給をします。もちろんそのための針は刺さったまま、点滴のチューブがつながったままになります。次に排泄もそのままの状態でします。介護をしてくれる方が処理をして体を清潔にしてくれます。さらにベッドの上で寝返りをうつこともままなりません。ですから、床ずれができやすく皮膚にジクジクした部分があったりします。また見えている景色がほとんど変わることがなく、その他の五感の刺激が少ないためどうしても表情が乏しくなってしまいます。

そうなってしまう前の段階はどうでしょうか。 階段の上り下りや立ったり座ったりすることがスムーズにできなくなったり歩きづらくなって転びやすかったりします。部屋の移動やトイレに行くのも一苦労だったりしてくると楽しい外出も減ってしまいます。

固いものや大きな塊を噛むことができなくなってくると今まで好きだった料理や見た目に嬉しくなる料理を食べる機会はほとんどなくなってしまいます。

常に体のどこかに強い痛みがあることも多いです。夜も十分に眠れなかったりします。

耳が聞こえづらくなっておしゃべりを楽しめなくなってくるかもしれません。

物忘れや勘違いが増えて困ってしまったり指摘されることが増えたりするかもしれません。

 

老化は見えないところから始まっている

あなたが老化と聞いて思い浮かべる、目が見えづらくなる、耳が聞こえづらくなる、物忘れや勘違いがふえる、判断力が低下する、食べられないものが増える、肌の乾燥、皮膚のたるみ、筋力の低下などは例え大きな病気を抱えていなかったとしても日常生活に制限がかかり寝たきりの状態につながっていくものなのです。

確かに人間は皆年老いていくものなのですが、「老化は病気ではないは間違い」なのです。

見た目にわかる変化があるということは目に見えない体の中からすでに変化が始まっているとうことでもあります。老化のスピードは人それぞれです。

生活習慣病と言われる様な疾患が今から出始めているとしたら日常生活に制限がかかるのがもっと早くなるのです。

いかに健康で楽しめる期間を長くしていくのかに注目することが大切だということがお分かりいただけたでしょうか。

 

 

自分の体のことを自分で意識する

歳をとるのは嫌だ、病気になるのは嫌だと誰もが感じていると思います。健康でありたい!は多くの人の願いです。

 

健康でありたい理由

ではなぜ健康でありたいのでしょうか。

痛くて苦しいのは嫌、他人にあれもこれもお世話してもらうことに抵抗があるなど、なんとなく感じている理由はあるかもしれません。

健康でありたい理由、それは「いつまでも好きなことが好きな様に楽しめる状態であるため」であると私は考えます。

何かをやりたい!と思いついた時に制限なくそれを叶えるためにはやはり健康な体があってこそではないでしょうか。 自分のための自分の体です。

健康であるためのことをあれもこれも一気に徹底的にやってみるのも良いですが、それだけが目的になって別の負担や不安が大きくのしかかってくる様では、本来の目的である自由に楽しむことからはずれていってしまいます。

生きて、この体と共にある以上、今だけ何かをすれば良いというものではなくて最後までやめることなく継続できる取り組み方が必要なのです。

 

自分の体の状態を正しく知って対処する

そして何より自分の体のことを他人に任せきりにしないでほしいと思います。

私は薬剤師として調剤薬局で勤務しながらそう感じる瞬間も今まで何度かありました。

例えば風邪をひき、だるさ 頭痛 鼻水 咳が出はじめたとします。

仕事が忙しいからと気になりながらも何も対策をせずにいつもの生活を続けて数日後、症状がひどくあれもこれもと現れた時、この辛い症状をなんとかしてほしいと受診します。

病院の先生が診察して判断して出してくれた薬が多くて嫌だという人がいます。逆にこれだけしか出してくれないなんて嫌だという人もいます。さらに数日後、薬が全然効かないじゃないかと不満そうに再度受診する人もいます。

特に風邪の場合に服用する薬はその薬が風邪を治してくれるものではありません。咳が出過ぎて会話もできないから、熱があって仕事ができないから薬を飲んだとします。咳止めを飲むと薬が効いている間咳が出にくくなって少し楽に会話ができる様になって、解熱剤を飲んだから熱が下がっている間少し動ける様になるでしょう。

そのように辛い症状を抑えてくれることにより体力の消耗を抑えたり、生活に支障が出過ぎないように助けてくれるものとなります。

そして、風邪の症状が回復に向かうのは、自分の体の正常な状態に戻そうとする力が働いてくれるからです。

ですから十分に休息を取ったり、栄養のある消化の良いものを食べたりして自分の持つ治す力を高めてあげる必要があるのです。

症状が出ていても体に負担のかかることを全く何も減らすことなく、体に良いことを取り入れるわけでもなく、薬だけで治そうとしていてもなかなか治りが良いとは言えないのです。

こんな時、自分では何もせず、病院の先生任せ、薬任せになっていて、自分の体のことなのに他人に任せきりになっているなと感じるのです。

どんなタイミングで受診するかはとても大切です。気になりながらも放置することなく、まず状態を知ること、そして自分で何をしたら良いのかを知って始めることも自分の体のことを考えていると言えるでしょう。定期的に健診を受けて不調を感じる前に発見することも同じですね。

今の生活が将来の体に現れてきます。今の体の状態は過去の自身の生活が作り上げたものでもあります。ぜひ、責任を持って自分の体のことを自分で意識していきたいものです。

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