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親から受け継ぐもの

BY: 島村 友紀

2024/05/07

 

 

子どもがアトピー性皮膚炎と診断された瞬間、まず【遺伝】という言葉が頭の中によぎりました。

 

私自身、幼少期はアレルギーで授業中も止まらない咳と鼻水に悩まされたり、学校で大変な思いをした記憶があります…

妊娠すると妊娠性痒疹という痒みを伴う皮膚症状で眠れなくなり、産後は咳喘息とアトピー様症状…とにかくアレルギーに悩まされました。

 

「お母さんの遺伝でごめんね、」

真っ先に考えたことでした。

 

 

▪︎アトピーって?

 

 

日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」では、「アトピー患者の多くはアトピー要因を持つ」と定義しています。

 

このアトピー要因とは、家族歴などが含まれ、親から引き継ぐ遺伝子が要因の一つとされています。

 

 

そこで、親から引き継ぐものについて、中医学の考えを軸にお伝えしようと思います。

 

 

▪︎整体観念とは

 

 

中医学の整体観念では、人体の働きを【肝・心・脾・肺・腎】の5つに分けた五行説があります。

 

これは、西洋医学の肝臓とか心臓などの機能より

広い概念を示しています。

 

なかでも、【腎】は体の体質を決めるところであり、【腎】にチャージされているのが【腎精(じんせい)】といいます。

 

 

▪︎【先天の精】と【後天の精】

 

 

【腎精】の【精】には2種類あります。

 

1つめは、【先天の精】

親から受け継ぐDNAのことです。

 

2つめは、【後天の精】

生活の積み重ねで構築された体質のことです。

 

 

【先天の精】は、親から引き継がれる遺伝子ですが、

【後天の精】は、親の生活習慣や食べているものの嗜好など子どもに受け継いでいくものが影響していきます。

 

【後天の精】は、例え弱い体に生まれたとしても、私たちの過ごし方によって体は強くなっていくと、古くから考えられてきたことなのです。

 

 

【後天の精】の考えは、現代の研究の進歩によって更に解明されています。

 

現代ではエピジェネティクスという、細胞が遺伝子の働きを制御する仕組みを研究する学問が進んでおり、遺伝子の発現は環境要因によって変化することが可能であり、その環境要因の7割を占めるのが食習慣だといわれています。

 

 

私は子どもがアトピーになって、「自分の遺伝のせい」と嘆いてしまっていましたが、これからこの子が身につける生活習慣によって遺伝子をも変えられる可能性があるのだと希望が湧きました。

 

 

 

▪︎ 【腎精】は日々消耗している

 

 

体に負担のかかる食習慣や、化学物質の多い身の回りの日用品、環境ホルモン、マイクロプラスチック、電磁波など。

【腎精】を無駄に消耗してしまう環境が世の中にはどんどん溢れています。

 

だからこそ、生活を見直して、どれが良くてどれが悪いのか、自分の価値観と照らし合わせながら選択していくことが重要なのです。

 

 

 

【後天の精】を養うためにも、【腎精】を消耗しないためにも、健康の土台作りに繋がる知識を身につけていくことが必要なんですね。

 

 

 

 

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