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朝食を抜いたときの血糖スパイク:血糖スパイクの見つけ方

BY: 池田 由依

2024/10/02

忙しい朝、ついつい朝食を抜いてしまうことはありませんか?特にダイエット中や時間がない時、朝食を抜くことが一時的に合理的に感じられるかもしれません。しかし、朝食を抜くことが逆に血糖スパイクを引き起こし、体に悪影響を与える可能性があります。食事を抜くと、次に食べる食事で血糖値が急激に上昇し、その後急降下する「血糖スパイク」が発生しやすくなるのです。

この記事では、朝食を抜いた時に起こる血糖スパイクの原因と、その見つけ方について詳しく解説します。

血糖スパイクとは?

血糖スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急激に低下する現象のことを指します。特に、白米やパンなどの炭水化物を多く含む食事をしたときに起こりやすいです。血糖値の急激な変動は、食後の強い眠気や頭痛、疲労感だけでなく、体にストレスを与え、糖尿病や心疾患のリスクを高める原因になります。

朝食を抜くと血糖スパイクが起きやすい理由

「朝は時間がないから」「朝食を抜けばダイエットになる」といった理由で朝食を抜く人も多いでしょう。しかし、朝食を抜くことで昼食時の血糖スパイクが引き起こされやすくなります。朝食を抜いた場合、体は長時間エネルギーを補給できない状態になります。その結果、次の食事、つまり昼食で急激にエネルギーを補充しようとするため、血糖値が一気に上昇してしまうのです。特に、昼食でGI値(グリセミック・インデックス値)の高い食品(小麦製品、精製糖、精製白米など)を中心に摂取すると、血糖値がさらに急上昇し、これが「血糖スパイク」となります。

このグラフは実際に血糖値を測定したものですが、朝7時と昼14時くらいに、いずれも焼きそば、中華スープを食べたところ、昼食前後に低血糖症状(寒気、動悸、ほてり、眠気、頭痛)が出現してしまった例です。一般的には血糖値が60~70㎎/dlになったときに発汗、震え、不安感などの低血糖症状が出ると言われていますが、それ以上の血糖値だとしても急激な血糖値の変動が発生した場合、体に負荷がかかり低血糖症状、また低血糖に反応して血糖値を上げようとするホルモン(アドレナリン、コルチゾールなど)の作用により動悸や不安感などが出現することがあります。

血糖スパイクの見つけ方

「自分も血糖スパイクが起きているのか?」と疑問に感じた方は、以下のポイントに注目してみてください。

食後の強い眠気や疲労感

昼食後に急に眠くなったり、体がだるく感じたりする場合、それは血糖値が急激に上昇して、その後急降下しているサインかもしれません。

食後2〜3時間の強い空腹感

昼食をしっかり食べたはずなのに、2~3時間後にまた強い空腹感を感じる場合、それも血糖スパイクの一因です。急激に血糖値が下がると、脳が敏感に反応し、ホルモンを通して血糖値を上昇させるためのエネルギー源を欲しがることで、空腹感が生じます。

代謝の悪化や集中力の低下

  血糖スパイクが続くと、インスリンが過剰に分泌され、体が糖を脂肪として蓄積しやすくなります。その結果、体脂肪率を増加させ、インスリンの効きにくい状態となり、糖尿病へとつながってしまいます。

また、血糖値の変動が激しいと、集中力や記憶力にも悪影響を及ぼします。血糖値の急激な低下は集中力や思考力の低下を引き起こします。

血糖スパイクを防ぐためにできること

朝食を抜くことが血糖スパイクの原因になる可能性があるため、健康的な朝食を摂ることが大切です。以下の点を意識してみてください。

バランスの取れた朝食を摂る

糖質を多く含む食品のみでなく、たんぱく質や食物繊維も豊富に含むバランスの良い朝食を選びましょう。例えば、今までは食パンと目玉焼きだったとしたら、全粒粉のパンと目玉焼きと緑黄色野菜のサラダをつける、また今までが白米と納豆だとしたら、玄米(胚芽米やもち麦でも良いです)ご飯とお味噌汁とキムチやオクラ納豆にするなどの方法があります。

食事の間隔を空けすぎない

長時間食事を摂らないと、次の食事で血糖値が急上昇するリスクが高まります。3食を規則正しく摂ることが大切です。特に朝食を取らないで昼食を摂ると、夜中から何も食べていない分、空腹時間が長く経過しているので、昼食時に血糖値が上がりやすくなっているため注意が必要です。普段なら血糖値が上がらないような食事内容でも過度に血糖値が上がる可能性があります。

運動を取り入れる

軽い運動を食後に取り入れることで、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。例えば、食後に15分程度の散歩をするだけでも効果的です。

朝の食欲がわかない場合

日中の血糖値が安定しずらい人は、夜間に低血糖症状が出現しやすい場合があります。夜間の低血糖が生じている場合、寝ている間に寝汗をかいたり、歯ぎしりをしたり、起床時に食欲がわかなかったりする症状が出ることがあります。

自分の血糖値を定期的にチェックする

血糖スパイクを正確に把握するためには、血糖値のモニタリングが有効です。連続血糖測定器(CGM)であるFreeStyleリブレ2を用いることで食後血糖や夜間低血糖の有無を知ることができます。上腕の後ろ側にセンサーを取り付けることで皮下の間質液中(細胞と細胞の間にある液体)の中のグルコース濃度を測定しスマホのアプリと連動することで経時的に記録でき、1回の装着で2週間分の記録をつけることができます。

まとめ

血糖スパイクは、気づかないうちに体に負担をかけ、健康リスクを高める要因となります。特に、朝食を抜いたときにそのリスクが高まりますので、朝食をしっかり摂ることや食後の体調変化に注意を払い、適切な食事習慣を身につけましょう。自分の体のサインに敏感になり、より健康的なライフスタイルを築いていくことが大切です。

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