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食べるだけで自律神経が安定する「お助けフード」
BY: 大久保 愛
2025/02/25
ウイルス、花粉に三寒四温で、イライラスイッチオン
インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症にもまだまだ気をつけないといけないこの時期。
さらに花粉までも気にしなければならない面倒な時期になりました。
少しづつ暖かい日も増えてきそうです。
そろそろ外へのお出かけが楽しみになってきますが、一方で、飛散しているさまざまな外敵から身を守らなければなりません。
つい先日まで寒波の影響で寒い日が続きましたが、今度は桜の開花に向けて三寒四温の波がやってきます。
こんな時期は、自律神経が乱れてもしかたないですよね。
低気圧で頭が痛い、めまいがするなんてこともよく耳にします。
自律神経が乱れることで湧き出てくる感情といえば、イライラや焦りなどではないでしょうか。
少し目線を上に向けると、やっと明るい太陽の光が差し、穏やかな景色が広がってきそうです。
しかし、心の中にはなんとなくイライラと落ち着かない感情が渦巻いている人もいるかもしれません。
そこで今週は、季節の変わり目に心穏やかに過ごす食薬習慣を紹介します。
自然の変化が体調に影響している
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。
気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。
学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか?
一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。
月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。
地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。
そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。
中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。
つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。
この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。
今週は、穏やかな心を保つ食薬習慣
毎年このシーズンに起こりやすい不調には特徴があります。
それは、三寒四温により自律神経が乱れることです。
自律神経が乱れると自分は弱いと感じてしまうことがあるかもしれませんが、気候の変動が大きい時には体を一定の状態に保つためにどうしても自律神経は安定しなくなります。
それは人として、ある程度仕方のないことです。
この時期の心の不調は、お天気のせいかな? と少し軽く考えてあげることが早期解決につながります。
また、この状態を漢方医学では『肝血虚(かんけっきょ)』といい、冬から春にかけて、『肝』に負担がかかりやすいとされています。
このときに『肝血』が充実していると自律神経の乱れが起こりにくいので、今週は、穏やかな心を保つために『肝血』を補う食薬習慣を紹介していきます。
今週食べるとよい食材は、【牛肉×発酵食品】です。
今週食べるとよい食材:牛肉×発酵食品
月に一度月経のある女性にとって『肝血』は不足しやすいものです。
ただ、牛肉や豚肉などのタンパク質や鉄などを多く含む食材は、ときによって胃腸に負担をかけてしまうことがあります。
そのため、胃腸への負担や吸収率も考えながら体と相談しつつ、とっていく必要があります。
牛肉
牛肉は、『肝血』を補う食材です。
脂身の多いお肉は消化に負担がかかるので、赤身のお肉を選ぶようにしましょう。
必須アミノ酸もバランスよく含まれ、女性に不足しがちな鉄や亜鉛もしっかり補うことができます。
発酵食品
発酵食品は、『肝血』の吸収をサポートしてくれます。
塩麹、キムチ、味噌、三五八漬けなど好きな発酵調味料にお肉をなじませて1時間程度置いておくだけで、柔らかくうまみがアップしたお肉が完成します。
味が濃くなっている時には、もやし、玉ねぎ、キノコ類などと一緒に炒めると調整できます。
牛肉を食べた後にお腹を下したり、お腹が張ったり調子が悪くなる人も多いのですが、発酵食品を合わせるとその悩みを軽減することができます。
発酵食品は、腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌による害を抑えてくれます。
そのほかにも、ビタミンCの多い食材を一緒に摂ると鉄分の吸収がアップするので、ピーマンやキャベツなどビタミンCを多く含む食材を合わせるのもよいと思います。季節の変わり目が苦手な人はぜひ取り入れてみてくださいね。
この記事を書いた人
大久保 愛(おおくぼ あい)
薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役、和漢の森開発責任者、漢方生薬研究所開発責任者、一般社団法人腸内細菌検査協会理事、日本高麗人参協会代表、株式会社東進メディカルアドバイザー、高麗人参専門ブランド「DARUN」アドバイザーなど。
秋田の自然の中で薬草や山菜を採りながら育ち、漢方や食に興味を持つ。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめ医療と美容の専門家として商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。漢方カウンセラーとして年間2000人以上の女性の悩みに応えてきた実績を持つ。著書に『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』『1週間に1つずつ 体がバテない食薬習慣』『心と体がバテない食薬手帳2025』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
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