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いよいよ花粉飛散ピーク!…すぐできる花粉症対策

BY: 大久保 愛

2025/03/02

 

いよいよ花粉症のシーズンが到来ですね。

花粉症の人、今年から花粉症デビューしてしまった人は、しばらくつらい思いをするかもしれません。

花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどですが、そのほかに、目のかゆみや、頭がボーっとするなどがあるでしょう。

頭痛、喉や皮膚のかゆみやだるさ、不眠などに悩まされる方もいらっしゃるかもしれません。

 

花粉症の患者数は、役3000万人と言われていて、国内で最も多いアレルギー疾患です。

この患者数は年々増えています。

今週は、そんな多くの方が困っている花粉症対策に役立つ食薬習慣を紹介したいと思います。

 

自然の変化が体調に影響している

 

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。

気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。

学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 

一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

 

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。

地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。

そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。

中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

 

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。

この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

 

 

 

今週は、花粉症対策に役立つ食薬習慣

 

2025年のスギ花粉の飛散は、1月には九州や中国、東海から関東の一部ではじまりました。

2月中旬までに九州の広い範囲と近畿から東北の一部で飛散が確認されています。

今年の花粉飛散量は、全国的に非常に多くなる見込みと言われ、今後も花粉症の悪化につらい思いをする人が増えていくことだと思います。

 

漢方では、花粉症の体質の人のことは、バリア機能である「気」が不足した「気虚」と考えます。

そこで、今週は「気」を補いバリア機能を強化する食薬習慣です。

食べるとよい食材・メニューは、【鯖とレンコンのスペイン風オムレツ】です。

 

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:鯖とレンコンのスペイン風オムレツ】

 

このスペイン風オムレツは、バリア機能を高める「気」を補う「鯖&レンコン」を使って作ります。

鯖は水煮缶を使います。

鯖缶は味がしっかりしているので特に味付けに調味料を使わなくても具材を混ぜて焼くだけで完成する簡単メニューになります。

 

作り方は、鯖缶をほぐして卵と混ぜておきます。

そして、小さく刻んだジャガイモ、玉ねぎ、レンコン、パプリカを軽く炒めます。

これらを全て混ぜたらフライパンにクッキングシートを敷いて材料をすべて流し込んで蓋をして卵がしっかり固まるまで弱火で蒸し焼きにしたら完成です。

 

鯖やイワシなどの青魚にはオメガ3脂肪酸が含まれ、オメガ3脂肪酸にはロイコトリエンなどのアレルギーの原因物質を抑える働きがあります。

オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸で、青魚、アマニ油、クルミなどに多く含まれます。

 

必須脂肪酸には、ほかにオメガ6脂肪酸がありますが、オメガ3脂肪酸との摂取比率が大事だとされています。

スナック菓子、アイス、てんぷら、唐揚げ、ラーメンなどにオメガ6脂肪酸が多く含まれているため、普通に生活しているとオメガ6脂肪酸を圧倒的に多くとりがちです。

オメガ6脂肪酸の採りすぎもアレルギー症状の悪化につながってしまいます。

アレルギー症状の緩和のためには、なるべくオメガ3脂肪酸を意識して採るようにしましょう。

 

レンコン

レンコンは抗酸化作用があるポリフェノールを多く含み、炎症を抑えるように働くため、アレルギー症状の緩和に役立つとされています。

花粉症はIgE抗体が一定量に達することで発症するのですが、レンコンはIgE抗体生産を抑え症状の緩和につながるともいわれています。

また、食物繊維も多く腸内環境を整えるため、腸から免疫の向上に働きかけることも期待できます。

 

スペイン風オムレツは、取り入れたい食材を何でも一緒に混ぜて焼くだけで、メイン料理にすることができるのでとても便利です。

花粉症がつらい人はぜひ作ってみてくださいね。

 

この記事を書いた人

大久保 愛(おおくぼ あい)

薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役、和漢の森開発責任者、漢方生薬研究所開発責任者、一般社団法人腸内細菌検査協会理事、日本高麗人参協会代表、株式会社東進メディカルアドバイザー、高麗人参専門ブランド「DARUN」アドバイザーなど。
秋田の自然の中で薬草や山菜を採りながら育ち、漢方や食に興味を持つ。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめ医療と美容の専門家として商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。漢方カウンセラーとして年間2000人以上の女性の悩みに応えてきた実績を持つ。著書に『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』『1週間に1つずつ 体がバテない食薬習慣』『心と体がバテない食薬手帳2025』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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