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冷えに強い体に!…不安や冷えにも強くなる「不調解消フード」

BY: 大久保 愛

2025/03/10

 

体の冷えを感じる

 

暑さ寒さも彼岸までといわれ、3月20日の春分の日を挟んだ前後3日間を足した、合計一週間をお彼岸と呼んでいます。

春分の日には、お昼と夜の長さがほぼ同じ時間になり、これから徐々に日が長くなり本格的な春になります。

桜の時期には、ポカポカの春の香りを感じる温かい日もあれば、花冷えを感じさせる冷たい風に花びらが舞い切なさを感じる日もあります。

心と体が元気であれば、それぞれの風情を感じる気持ちの良いときです。

 

しかし、朝晩の気温差があり、この寒さにダメージを受けてしまう人が存在するのも確かです。

三寒四温の寒暖差により自律神経が乱れやすい時には、冷えも強く感じやすくなります。

冷えに強い体をもっていれば、桜を見にいくなどお散歩に出かけたい気持ちになると思います。

 

そこで、春分をむかえ本格的に春へと移りかわる今週には、冷えに強い体をつくる食薬習慣を紹介していきます。

 

自然の変化が体調に影響している

 

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。

気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。

学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 

一か月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

 

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。

地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。

そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。

中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

 

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。

この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

 

 

今週は、冷えに強い体をつくる食薬習慣

 

暗くて寒くて長い冬がようやく終わろうとしています。

今年の冬は寒波が続きましたね。

そんな季節も来週には春分の日を迎え春へとシフトしていきます。

 

ただ、真冬と比べて厄介なのが、温かくなったと思ったら、急激に冷え込むことです。

毎日寒ければ、体は慣れますが、温かくて心地よい日が続いた後に急に寒いとやはり体がついていくことは難しく、寒さを強く感じたり、自律神経を乱しストレスを感じやすくなったりしてしまうことがあります。

 

これは、春の特徴ですが、漢方医学では「肝血虚(かんけっきょ)」と考えます。

また、自律神経が乱れ、血流が悪くなり冷えを感じやすい状態を「オ血(おけつ)」と考えます。

そこで、今週冷えを強く感じる人は、「肝血」を補い「血」の巡りをよくする食薬習慣を取り入れていきましょう。

 

今週食べるとよい食材は、【タコ×玉ねぎ】です。

 

今週食べるとよい食材:タコ×玉ねぎ

 

この冬は寒さが続いて大変な毎日を過ごす人が多いかったもしれませんが、これからの季節は、体は温かく、心は穏やかに過ごすことができたら良いですよね。

春の特徴である「肝血虚」、「オ血」を感じてしまうと季節に体調が翻弄されるだけではなく、日々の報道にも気持ちが疲れ、体調が翻弄されてしまうことがあります。

何事にも動じない強い体を作るために、今週はタコと玉ねぎを食べてみましょう。

 

タコ

タコは「肝血」の材料となる、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。

また、肝臓の働きを支えるタウリンも含んでいます。

タコは、お刺身や茹でダコとして買ってきたまま、調理せずに食べることができるので非常に便利な食材です。

 

玉ねぎ

新玉ねぎが美味しい季節ですが、玉ねぎには、「血」の巡りを改善する働きがあります。

玉ねぎに含まれる硫化アリルという成分は、代謝に必要なビタミンB1の吸収を高めたり、血流の改善にも役立ちます。

また、硫化アリルは、タコに含まれるタウリンの働きをより高めてくれます。

タコとの組み合わせとして玉ねぎは抜群です。

玉ねぎだけではなく、同じネギ類のニラやネギ、ニンニクなども相性がよい食材です。

 

タコと玉ねぎとワカメの酢の物やタコと玉ねぎのカルパッチョなど、タコと玉ねぎを使った料理は和えるだけで完成します。

冬よりもこの時期の冷えがつらい人、春への季節の変わり目はいつも体調を崩してしまいがちな人は、ぜひタコと玉ねぎをチョイスしてみてくださいね。

 

この記事を書いた人

大久保 愛(おおくぼ あい)

薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役、和漢の森開発責任者、漢方生薬研究所開発責任者、一般社団法人腸内細菌検査協会理事、日本高麗人参協会代表、株式会社東進メディカルアドバイザー、高麗人参専門ブランド「DARUN」アドバイザーなど。
秋田の自然の中で薬草や山菜を採りながら育ち、漢方や食に興味を持つ。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめ医療と美容の専門家として商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。漢方カウンセラーとして年間2000人以上の女性の悩みに応えてきた実績を持つ。著書に『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』『1週間に1つずつ 体がバテない食薬習慣』『心と体がバテない食薬手帳2025』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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