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賢く魚を選ぶ!水銀のリスクを抑えて、栄養満点の食卓へ

BY: 吉岡 千幸

2024/07/17

魚は日本人の食卓に欠かせない、美味しくて健康に良いタンパク源です。特にマグロは刺身やお寿司で大人気ですよね。実は、日本は世界中のマグロの3分の1を消費しているんです!

しかし、マグロやカジキなどの大型魚には、ちょっと注意が必要です。これらの魚には水銀が含まれていることがあるんです。水銀と聞くと、水俣病を思い浮かべるかもしれませんが、これは地球上に自然に存在する水銀が魚に蓄積される現象でもあります。私たち現代人は様々な環境毒素にさらされていますが、水銀を含む魚の摂取もその一つです。

でも心配しないでください!厚生労働省では、通常の摂取量であれば一般の大人や子どもに悪影響が懸念される状況ではないとしています。魚にはオメガ3脂肪酸をはじめとする豊富な栄養素がたくさん含まれています。では、どうやって魚を安全に食べたら良いのでしょうか?ここでは、水銀のリスクを減らしながら、魚の栄養をしっかり摂る方法をご紹介します。

自然界の水銀はどうやって魚に入るの?

火山の噴火や石炭の燃焼、工場からの排出などで空気中に出た水銀が、雨と一緒に川や海に流れ込みます。そこで水銀が微生物によってメチル水銀という有害な物質に変わります。このメチル水銀は、小さい魚が食べ、それを大きい魚が食べることで、どんどん濃縮されていきます。つまり、食物連鎖の上位にいる大型肉食魚ほど高濃度のメチル水銀を含んでいることになります。なので、マグロやカジキなどの大型魚に多く蓄積されます。

 

メチル水銀は体にどんな影響を与えるの?

メチル水銀は体に取り込まれると、ほとんどが腸管から吸収され、腎臓、肝臓、脳などの臓器に蓄積し、その後便、尿、頭髪から排出されますが、水銀は脂溶性のため、脳の血液関門(血液脳関門)や胎盤(臍の緒)などのバリアも通過し脳や胎児に移行します。血液脳関門が未熟な胎児は特に影響を受けやすく、体内で半分になるまで約70日と長い時間がかかります。なので、妊婦さんが多くのメチル水銀を摂取すると、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えることがあります。ですから、妊娠中の方は特に気をつける必要があります。

 

賢く魚を選びましょう

どんな魚に注意が必要かというと、マグロやカジキ、サメなどの大型魚や深海魚、クジラ類には、メチル水銀が多く含まれることがあります。具体的には、キンメダイ、クロマグロ、メバチマグロ、ミナミマグロ、メカジキなどです。厚生労働省によると、これらの魚は1週間に1~2回程度に留めるのが良いとされています。

●魚介類に含まれる水銀について(厚生労働省ホームページ)

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/

 

魚を避けるのではなく、賢く選ぶことが大切です

魚は、健康に良いオメガ3脂肪酸や高品質なタンパク質が豊富です。これを考慮すると、魚を完全に避けるのではなく、賢く選んで食べることが重要です。以下のポイントを参考にしてください。

1.小型青魚を選ぶ

イワシ、サバ、青魚などのいわゆるまな板に乗るサイズの魚は水銀濃度が低く健康に良いのでおすすめです。

2.サーモンの利点

サーモンも非常におすすめです。サーモンピンクの色素であるアスタキサンチンは強力な抗酸化物質で、ビタミンBも豊富で、糖質や脂質の代謝を助けます。

 

3.セレンが多い魚を選ぶ

セレンは水銀の毒性を弱める効果があります。ニシンやサバ、イワシ、サーモンなどがセレンを多く含んでいます。

セレンは体内で合成できない微量栄養素であり、無機水銀の毒性を弱める作用があることがこれまでの研究で明らかになっています。有機水銀に対しても、ある程度の効果が示されています。この栄養素は魚自体にも含まれているため、セレンが多い魚を選ぶことが重要です。

 

4. マグロの取り扱いに注意

マグロはセレンが豊富ですが、水銀も高濃度です。特に乳幼児や妊婦、授乳中の女性は注意が必要です。マグロの摂取量を制限し、水銀濃度が低くてセレンが豊富な魚を選びましょう。

ちなみにマグロを食べるなら、キハダマグロが他のマグロに比べ、水銀の含有量は少ないです。

 

5.心が喜ぶ本当に食べたい魚を選ぶ

魚は骨があるからと、苦手意識を持っている方でも食べやすいのがカジキです。切り身ならほとんど骨がありませんし、調理の幅が広く、いろいろなアレンジができます。味にクセもないので、こうばしくソテーし、好きなソースをかけるだけでもおいしく、忙しいときにも役立つお魚ですが、脂身に毒素が溜まりやすくなります。リスクのある魚は本当に美味しく、心から幸せになるものを選びましょう。

まとめ

健康的な食生活を送るためには、魚を上手に選ぶことが大切です。水銀の心配があるからといって魚を完全に避けるのではなく、種類や食べる量に気をつけながら、魚の持つ豊富な栄養素を最大限に活用しましょう。これにより、健康と美しい体を維持するための一助となります。

 

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